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help リーダーに追加 RSS 【テポドン】敵基地攻撃は可能か?【クライシス】

<<   作成日時 : 2006/07/16 00:57   >>

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敵基地攻撃能力の保持、額賀防衛長官「議論すべきだ」

 額賀防衛長官は9日、北朝鮮の弾道ミサイル発射を踏まえ、日本として敵基地攻撃能力保持を検討すべきだとの考えを明らかにした。

 額賀長官は同日、都内で記者団に「独立国家としては、侵略戦争はしないとか、相手陣営で武力行使をしないという枠組みを持っていたとしても、国民を守るために最低のものは持たなければいけない。与党で議論するべきだ」と述べ、検討の必要性を強調した。同時に、「にわか仕立てでどうこうすることではない」とも述べた。

 また、フジテレビの番組で「敵国が確実に日本を狙って攻撃的な手段を持って、ピストルで言えば引き金に手をかけたというような時であれば、日本を守るためにどうするかは、首相、我々が判断することができると思っている」と述べた。
(読売新聞) - 7月10日13時57分更新

 湾岸戦争時に、イラクはイスラエルに向けてスカッドミサイルを発射した。幸いなことに被害は少なかったが、血の気の多いイスラエルはF15を発進させ、あわやイスラエル対アラブ諸国の全面戦争に突入する寸前となった。あわてふためいたアメリカは、イラク西部の山中に潜むスカッドミサイル発射台の破壊と、パトリオットミサイルの配備をシャミル首相に約束した。
 米英空軍はAWACSからの情報を元に、戦闘爆撃機による攻撃を行った。ゲームのような映像でお馴染みの、いわゆるスマートボムによるものである。同時に、SASとグリーンベレーがイラク西部の山中に潜入し、目標を目視のうえで、ミラン対戦車ロケットか、無線で空からの攻撃を要請するという方法で、ミサイル発射台を破壊した。
 しかし「戦後2年たって、ワシントンは、移動式スカッド・ランチャーで空からの攻撃によって撃破されたものは一基もないと公式に認めた」(フレデリック・フォーサイス作「神の拳(下)」)のである。どうもスマートボムが破壊したのは、トラックの荷台に鉄板の管を載せただけの、マスキロフカ(偽装)であったらしい。
 その教訓を受けてか、アフガニスタンでのテロリスト掃討作戦では、特殊部隊を大量に投入して、空軍による攻撃の援護をするという方法で一定の成果を挙げた。

 さて今回の北朝鮮のケースである。確かに現在確認されているテポドン発射台に、トマホークか何かを撃ち込むことは可能であろう。
 問題は、衛星や早期警戒機などで全てのミサイル発射台を発見できるとは限らないということである。偽装の可能性もあるし、そもそもノドンは移動可能である。地下に基地があるかもしれない。もし1発でも撃破し損ねれば、先制攻撃の意味がなくなってしまう。そしてミサイル発射台を1つ残らず破壊できる確率は限りなくゼロに近い。
 もしミサイルが1発でも発射されたら果たしてどうなるか。化学兵器や毒ガスを搭載していたら?将来核を搭載可能になったら?私が金正日将軍様であれば、通常弾頭のミサイルを囮にして、核ミサイルは偽装するなり、地下に発射基地を造るであろう。イラクのスーパーガンのように。
 特殊部隊が北朝鮮に潜入するのも恐らく至難の業であろう。あるいは韓国軍なら可能かもしれないが、いずれにしてもイラクやアフガンの人跡未踏の山の中と同じというわけにはいかない。気候的にはまだ穏やかでも、発見される危険が極めて高い。イラクに潜入したSAS隊員でさえ、捕虜になり拷問を受けた。
 つまり憲法や外交上の問題を無視して、純粋に技術的な観点からみて、巡航ミサイルなどによるミサイル発射台の完全破壊はほとんど不可能ということである。先制攻撃をしようとしまいと、結局危険は変わらないということだ。というよりも、当然のことながら相手の反撃を正当化してしまうため、危険は増大する。

 もし本当に軍事的にミサイルの脅威に対処する必要が生じた場合は、巡航ミサイルによる攻撃と空爆を行うしかない。その場合、当然のことながら陸上部隊による、北朝鮮本土に対する進攻および制圧が前提となる。つまりは全面戦争である。そうなればもちろん韓国だって無傷では済まないし、その間我が国は常に、飛来するミサイルの脅威にさらされることになる。
 しかも現代の巨大な戦争マシーンを動かすには、それなりの時間と手間がかかる。こちらが準備している間にミサイルを発射してくるのは確実である。よほど情勢が逼迫しない限り、こちらからわざわざ攻撃を仕掛けるべき理由はない。石油が出るわけでもないし。そして理由ができた時には、もう遅い。
 もちろん敵基地に対する攻撃能力は当然持つべきであろう。しかしそれだけでは抑止力にはならない。あくまで戦略的、戦術的なオプションの一つでしかない。敵基地やミサイル発射台を撃破すれば終わりということはあり得ないのである。このことは先の大戦でも経験済みだ。

「これほど練度が高ければハワイを攻撃できるな」――― 一気に真珠湾のアメリカ艦隊を壊滅してこれを無力化すれば、アメリカ海軍が再建に手間取っている間に、日本は東南アジアの資源を完全に押さえることができるだろうというのであった。ジョン・トーランド著「大日本帝国の興亡@」

 しかし完全に押さえることができなかったのは言うまでもない。戦争は始めるよりも、いかに終わらせるかの方が重要であり、また困難な仕事なのだ。戦後のビジョンなしに戦争を始めるなど、愚の骨頂である。

 では北朝鮮のミサイルに対して、我々はどうすればいいのかというと、はっきり言ってどうしようもない。せいぜい将軍様が錯乱したり、軍部が暴走して、本気でミサイルをぶっ放したりしないように祈るだけであろう。一度ミサイルをぶっ放したら、もう誰にも止められない。防空壕にでも入るのが一番効果的なのかもしれない。相手がミサイルを発射して、被害を受けてからでなければ、我が国としては如何ともしようがない。
 現在国内に配備が検討されているPAC3も、弾道ミサイルに対する有効性はかなり疑問視されている。パトリオットは元々、対航空機用に開発されたもので、湾岸戦争時にイスラエルに配備されたPAC2も、スカッドに対してはあまり役に立たなかったという。
 先の大戦では、石油が戦争勃発のきっかけになったが、北に対する経済制裁は当然としても、情勢を見誤ると暴発しかねないので注意が必要だ。まあミサイルの発射は当分ないとして、取りあえず地道に外交努力を続けるしかない。しかし無駄に中国と韓国のご機嫌を損ねているような現在の状況で、果たして北朝鮮に対してどこまで強硬姿勢を貫けるのか、大いに疑問とするところではある。
 恐らく米軍と韓国軍は、有事に備えて、北朝鮮進攻計画の一つや二つはすでに策定済みであろう。まあ実際にそういう事態にならないことを願うが、金正日体制がそのうち崩壊することはまず間違いない。その時何が起こるのかは、結局のところその時にならないとわからないであろう。

ブラヴォー・ツー・ゼロ―SAS兵士が語る湾岸戦争の壮絶な記録
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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
大いに賛成。日本の封じ込めを狙っている国家に囲まれて居る以上は日本も早く並みの国になるべきです、日本はテロリストに甘い。
翔龍。
2006/07/16 04:09
 翔龍さん。コメントありがとうございます。
 小泉首相も退陣するし、日米関係も岐路に立っている感じですね。防衛政策に関して、根本的に見直す時期が来ていると思います。
管理人@ブログの悪魔
2006/07/19 23:22

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