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所沢古本市には、毎回必ずといっていいいほど顔を出す。もちろん客として。 家には未読の本が大量に積まれているにもかかわらず、毎回数冊は購入してしまう。特にきこう本のマニアというわけでもなく、購入するのはほとんど普通の本である。まあ単なる習慣だ。 かねてから集めている「双書 20世紀の詩人」中の一冊「デレック・ウォルコット詩集」を発見したが、値札が付いていない。通常は裏表紙を開けたところに値札が糊などで貼り付けられているのだが、恐らく店長さんが忘れたのだろう。レジで店員さんに訊いた。 「あの、これ値札が付いてないんですけど」 「書店はどちらかわかりますか?」 「××××です」 こういう古本市では、出店している書店ごとにブースが分かれている。フリーマーケットと同じだ。 「今日××××さん来てる?」 「今日休み」 「これ幾らだろう?」 「うーん。ウォルコットっていくらくらいだろう?650円くらいですかね」 「500円くらいにならないですかね?」 「500円。うーん、まあいいか。どうせ他人のだし」 小沢書店は残念ながら数年前に倒産しているが、そのことが古本としての市場価値にどう影響しているのかは定かではない。まあそれほど、というかほとんど需要はないにちがいない。定価は税込み1400円。どこの古書店でもだいたい500円前後ではあるが、「どうせ他人のだし」300円くらいにはなったのかもしれない。もう少し意地汚く粘ればよかった。しかしいくら他人のとはいえ、勝手に値段をつけて大丈夫だろうか、と客ながら少々心配になった。 ウォルコットとヒーニー―ノーベル賞詩人を読む
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